僕は自分のことを、正直“地味な人間”だと思っています。実際に会った人ならわかると思いますが、特別面白い人間でもなければ、何か突出したキャラクターがあるわけでもありません。
自分で言うのもなんですが、ユニークとは程遠いタイプです。
そんな僕が、あるIT企業に採用されたのは2000年ごろの話です。
当時、僕は3DCGを中心とした個人サイトを運営していました。自分で毎日のように作った3DCGをコツコツとアップしていて、それがコンテンツの中心でした。今ではそのサイトは残っていませんが、現在運営している「FUNAKI GAMES」と似た雰囲気だったかもしれません。
面接の際、採用担当の方から「君はユニークだね」と言われたのを覚えています。
でも僕からすれば、ただ自分の作品を淡々と載せていただけ。それを「ユニーク」と評価されたのは、少し不思議な感覚でした。
ただ、当時は個人で3DCG作品をネットに公開している人は少なく、それ自体が“珍しい”と受け取られたのかもしれません。
採用担当の方自身も、どこか独自の価値観を持った人物だったと思います。でなければ、経験もほとんどなかった僕を採用しようとは思わなかったでしょう。
この経験から僕が学んだのは、「経験や実績がなくても、面白いものを作っているかどうか」が採用の判断基準になりうるということ。
もし自分が採用する立場だったとしても、きっと同じように考えると思います。
これはWeb制作でも、ゲーム開発でも同じことが言えるでしょう。
“面白い”を形にできるかどうか。
それこそが、ものづくりにおける本当の価値だと、今でも信じています。