2025年6月13日金曜日

本当にパブリッシャーと契約するべき?長期的な視点で考えるべきこと

ゲーム開発者として活動していると、一度は「パブリッシャーと契約すべきかどうか?」というテーマに直面すると思います。今回は、あえてパブリッシャーと契約しないという選択肢について考えてみたいと思います。

結論から言えば、「パブリッシャーと契約したことで、むしろゲーム開発を継続できなくなる可能性がある」という話です。

パブリッシャーと契約できた成功例…でもその後は?

初めて作ったゲームが一定の評価を得て、運良くパブリッシャーから声がかかる。そんなラッキーな状況に巡り会える方も中にはいるでしょう。実際に、初作品ながら人気が出たゲームに対して、複数のパブリッシャーからオファーが来ることもあります。

最初は夢のように感じるかもしれません。プロの力を借りてマーケティングや販売をしてもらい、広くリリースされる――たしかに大きなメリットです。しかし、そこでいくつかの「落とし穴」も見えてくるのです。

パブリッシャー契約で生まれる価格設定の問題

個人開発のゲームがパブリッシャーを通じてリリースされると、価格が比較的高く設定されるケースが多く見受けられます。例えば、1000円以下で販売されることはあまりなく、2000円を超えることも珍しくありません。

これはなぜかというと、利益をパブリッシャーと折半しなければならないためです。つまり、販売価格を上げなければ、パブリッシャーも開発者も十分な利益を得ることが難しいという構造です。

ところがこの「価格の高さ」が、ユーザーから見て割高感につながってしまいます。どんなに良いゲームでも、「ちょっと高いな」と思われてしまうと、販売本数が伸び悩む要因になります。

売上本数を公開できないジレンマ

さらに問題なのは、販売本数や売上データを契約上公開できない場合があるということ。つまり、次の作品を作る際に「前作はこれだけ売れました」と実績を示すことができないのです。

販売価格が高く設定された結果、本数が伸びず、かつその数字すら出せない。これは開発者にとって大きなハンディキャップになります。売上がどれほど良くても、次につなげにくいというのが大きなデメリットです。

長期的に見た「独立」の価値

パブリッシャーはあくまでビジネスとして利益を求める存在です。そのため、開発者の次回作の成功にはそれほど関心を持っていないこともあります。契約した1作品が売れれば、それで満足、というスタンスの企業もあるでしょう。

極端に言えば、「使い捨て」のように扱われてしまう可能性も否定できません。

だからこそ、長期的に自分のゲームブランドを育てたい人ほど、本当にパブリッシャーと契約すべきか慎重に考える必要があります

もちろん、すべてのパブリッシャーが悪いわけではありませんし、うまく協業できる関係もあります。ただ、「目の前の利益」だけでなく、「5年後、10年後もゲームを作り続けたい自分」にとって最善の選択は何か? そこを見据えることが大事なのです。

面白いから売れてる…わけじゃない、STEAMの闇についてちょっと話す

 ちょっとエグい話をします。というか、正直言って夢も希望もない話なんだけど、それでも「現実」として見ておいたほうがいい気がして書いてます。 最近『モンスターハンターワイルズ』がめちゃくちゃ話題になってるよね。映像はすごいし、期待値も高い。でも、一部では「いや、これクソゲーじゃね...