インディーゲーム開発に携わっている方であれば、「昔に比べてゲームが売れなくなった」と感じている人は多いのではないでしょうか?
実際、今のインディーゲーム市場は、かつてとはまったく違う状況にあります。
10年で10倍に増えたゲームの数
この10年で、Steamにリリースされるゲームの本数はおよそ10倍に増えたと言われています。
つまり、インディーゲーム開発者の数も10倍近く増えているということです。
これは、プレイヤーにとっては選択肢が広がって嬉しいことかもしれませんが、開発者側からすると非常に厳しい現実です。
競争は激化し、1本あたりのゲームの売上は下がり続けています。
たとえば、Steamでは現在、1日に30本以上の新作ゲームがリリースされています。
そんな中で、自分のゲームだけが注目され、売れるというのは、もはや“奇跡”に近い状況です。
AIの進化がさらに競争を加速させている
近年では、AI技術の発展によってゲーム開発のハードルは一気に下がりました。
プログラミングのサポートや、グラフィックの自動生成など、個人でもある程度のクオリティの作品を作れる時代です。
しかし、これは「ライバルの増加」も意味します。
誰でも簡単にゲームを作れるようになった反面、埋もれるゲームもますます増えてしまったのです。
売れるためには“マーケティング”が不可欠
今は「良いゲームを作れば売れる」時代ではありません。
どんなに面白いゲームでも、知ってもらえなければ売れないのです。
だからこそ、今求められるのは“マーケティング力”です。
SNSで発信したり、デモを公開したり、プレイ動画をYouTuberに届けたり…。
自分のゲームの魅力をどうやって多くの人に届けるか。これが、売上に直結する最大の要因です。
しかし、実際には多くの開発者が「どう宣伝していいかわからない」と悩んでいます。
体感ですが、マーケティングに本格的に取り組んでいる開発者は全体の1〜2割程度ではないでしょうか。
パブリッシャーに頼るという選択肢、でも…
「マーケティングは苦手だからパブリッシャーに任せたい」
そう考える開発者も少なくありません。実際、それが楽な方法に見えることもあります。
しかし、パブリッシャーと契約できるのはほんの一部の開発者だけ。
しかも、その代償として売上の半分ほどを持っていかれることも珍しくありません。
しかも、個人開発の小規模ゲームに対して、パブリッシャーが大規模な広告を打つことはまずありません。
多くの場合は、最低限のプレスリリースや、メディアへの掲載依頼程度。
「全力で宣伝してくれる」という期待を抱いて契約すると、現実とのギャップにがっかりする可能性もあります。
売れるゲームは、パブリッシャーがいなくても売れる
ここで一つ冷静に考えてみてください。
もし、あなたのゲームにパブリッシャーから声がかかっているのだとしたら――
そのゲームは、そもそもパブリッシャーがいなくても売れる可能性が高いということです。
それならば、売上の半分を取られてしまうよりも、自分でマーケティングを学び、行動するほうが長期的に見てプラスになるのではないでしょうか。
まとめ:今、求められている開発者像とは?
インディーゲーム市場は今、確かに厳しい状況です。
ただし、それは「工夫する余地がたくさんある」ということでもあります。
ゲームを作るだけで終わらせず、どう届けるかまでを考える。
これがこれからの開発者に求められるスキルです。
マーケティングが苦手でも構いません。
少しずつでいいので、発信する力・伝える力を身につけていきましょう。
あなたのゲームが、誰かの心を動かすチャンスを逃さないために。