ゲーム制作において一番大切なものは何か?そう聞かれたとき、私が真っ先に思うのは「時間」です。技術や才能ももちろん重要ですが、それ以上に“制作にじっくり向き合う時間”がなければ、どんな能力も発揮しきれないと感じています。
この考えに至ったのは、実際にゲーム制作をしている人たちをよく観察したことがきっかけでした。ゲームが作れないのではなく、優秀な人ほど本業で大きな成果を出していて、そちらに時間とエネルギーを取られてしまっている。その結果、趣味や個人制作にかけられる時間が極端に少ないのです。
もちろん、時間が自由だからといって無能だと言いたいわけではありません。でも、あえてわかりやすく表現するなら、「暇人最強説」はある意味で真実です。時間が豊富にあるということは、それだけ制作に没頭できるということ。しかも、そういう人たちに限って、意外にも学習意欲が高く、自主的にスキルを磨いているケースも多いのです。
収入源が別にあって、生活の心配がないなら、なおさら制作に集中できる。「引きこもり」や「プータロー」など、一般的にはネガティブに見られがちな立場の人たちが、実はゲーム制作において最強だったりするのです。
私自身も人間関係があまり得意ではないタイプで、どちらかといえば内向的な生活を送っています。でも、そんな性格だからこそ、じっくりと一つのことに向き合える強みがあるとも感じています。
ゲーム制作の才能は、意外とそんな“ひとりの時間を大切にできる人”の中に眠っているのかもしれません。